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個性豊かな4モデルに迫る

ハイクオリティな音とデザインにこだわる「PHIATON」 − 注目ヘッドホン&イヤホンを集中試聴

公開日 2011/03/11 10:04 レビュー/高橋 敦
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注目のブランド「PHIATON」から、フラグシップモデルの「PS 500」、デザインコンシャスな「MS 400」など話題のヘッドホン&イヤホンをピックアップして、高橋敦氏が一斉にレビューを行った。それぞれの音質&ハンドリングを徹底レポートする。


音とデザイン、ともにハイエンドであることにこだわった「PHIATON」ブランド

PHIATON(フィアトン)は日本国内ではまだ聴き馴染みのないブランド名かもしれないが、母体企業のクレシン設立から数えれば実に50年の歴史を持つ音響機器のスペシャリストだ。これまでヘッドホン・イヤホンを中心に事業を展開し、現在の規模はアメリカと、韓国、日本を含むアジア6カ国に現地販売・生産法人を構えるほどである。OEM/ODMにおける生産数についても2,000万台を月産するグローバルブランドである。そのクレシンが培ってきたヘッドホン・イヤホンの音響とデザインの技術力を持って誕生したハイエンド・ブランドがPHIATONなのだ。


高品位なサウンドとデザインの融合を、ヘッドホン&イヤホン製品のコンセプトに掲げる「PHIATON」
PHIATONブランドの製品が共有するコンセプトは、ヘッドホン・イヤホン製品の基本である真の音を再生し、一般的なグレー系ヘッドホンの外観デザインを脱皮することであるという。例えば象徴的なのは、ハウジング素材にカーボングラファイトファイバーを採用したヘッドホン“Moderna”「MS400」だ。優れた素材特性により、音質面に貢献すると同時に、「International Design Award 2008 最高賞」を受賞したという、優美で贅沢感あふれるルックスも魅力的だ。

他の製品もそれぞれに独自の技術や特徴的な素材、形状を採用している。音質を妥協せずデザインは個性的に。そんなヘッドホン・イヤホンをお探しの方にはぜひ注目してほしいブランドである。

今回はPHIATONの主力ラインナップから、オーバーヘッドタイプのフラグシップモデル「PS 500」、音質とスタイルを追求した「MS 400」、ノイズキャンセリング機能搭載の「PS 20 NC」と、“ハーフカナル型”のイヤホン「PS 210」をピックアップして、それぞれの魅力に迫って行こうと思う。

まずは次ページから、オーバーヘッドタイプのフラグシップモデル「PS 500」の試聴レビューをお届けしよう。


今回はPHIATONの現行モデルから「PS500」「MS400」「PS 20 NC」「PS 210」の4モデルをテストした。ヘッドホンアンプを使った試聴はNuForce「icon HDP」を使用

ポータブルオーディオのリファレンスはライター高橋氏愛用のiPhoneをリファレンスとした

◆今回試聴した楽曲と評価したポイント

【試聴曲1】『Take Five』(アルバム「Spiral Circle」より)
/Helge Lien Trio
評価のポイント:特にドラムスとベースの鮮烈な音像、アタック感をどのような感触で描き出すか。ベースの指先やシンバルの打点を想像できるような情報量はあるか。

【試聴曲2】『ひこうき雲』(アルバム「ひこうき雲」より)/荒井由実
評価のポイント:冒頭からボーカルと並んで活躍するベースの音像の広がり、あるいはまとまり。ストレートに届いてくる歌の表情、感触はどうか。

【試聴曲3】『Stone Free』(アルバム「Valleys Of Neptune」より)/Jimi Hendrix
評価のポイント:ギターの歪みの粒の粗さや硬軟の感触。ベースとドラムスの鳴りを豊かに引き出すかタイトに引き締めるか。

【試聴曲4】『Concerto For 2 Violins In D Minor, BWV 1043 - 1. Vivace』(アルバム「Bach: Violin Concertos」より)/Hilary Hahn
評価のポイント:ホールを想像させるような空間性、音場感を生み出せるか。弦のきつさを出さずに柔らかに切れ込んでくれるか。



◆筆者プロフィール 高橋 敦
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。


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