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ソニー、パナソニック、JVCらが新製品を出展

【CES】会田肇の新製品レポート<ビデオカメラ編> 各社最新モデルをハンドリング、4K対応機も登場

公開日 2013/01/15 15:15 会田肇
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■キヤノン

話題がいつになく乏しかったものの、主力となった「Rシリーズ」がめざましい進化を遂げたのがキヤノンだ。「Rシリーズ」は、従来の「Mシリーズ」が販売終了となる代わりにさらなる進化を遂げて登場した。ラインナップは32GBメモリー内蔵のHF R42、8GBメモリーのHF R40、メモリーレスのHF R400の3モデル。過去の経緯から推察すると日本で販売されるのはHF R42のみと予想される。

Rシリーズは新たに「ベビーモード」を搭載したことがポイントになる。成長する子供を、タイムスタンプ機能などを使って成長過程が一目でわかるようにしたり、成長の瞬間を取り逃さないプリRECモードを搭載した。とくにタイムスタンプ機能では誕生日を設定するだけで、生後日数を自動計算して生後日数として映像の上に表示。さらにタッチデコレーション機能には任意で身長や体重などを入力できる機能が追加された。

また、ベビーモードで撮影した映像はひとつのアルバムとして保存・管理される。通常の撮影と分けて保存されるので、子供の成長を日々記録していきたい用途にはまさに最適な機能と言える。惜しいのは、このモード切り替えはメニュー内で行う必要があること。ハードウェアキーとして用意されていれば撮影時に簡単に切り替えられるが、メニュー内だとベビーモードのまま通常撮影を行ってしまう可能性がある。

一方で大幅な進化を遂げたのがWi-Fi機能だ。従来はiOSのみの対応だったが、Android端末にも対応を果たした。さらに汎用のブラウザを使って動画や静止画を転送し、再生や保存を可能にしたのも画期的だ。これによって、撮影した動画をスマホやタブレット、パソコンなどで簡単に楽しめるようになる。また、YouTubeやFacebookへのアップロードには「Movie Uploader」を使う。さらにスマホで見ながら遠隔操作ができ、撮影した動画をビデオカメラから「CANON IMAGE GATEWAY」にアップロードすれば、登録しておいた最大20件のメールアドレスへリンクメールを送ることができる。

見逃せないのは、動画撮影をAVCHD/MP4の両フォーマットで同時記録できるようになったこと。いずれも最高画質での記録はできないが、これまでのようにSNSへアップロードするためだけにMP4モードでわざわざ記録する必要がなくなったのだ。

その他、タッチデコレーション機能は撮影した映像に追加することができるようになり、シネマルックフィルターも撮影後に効果を加えられるようになった。撮影状況に応じて4種類の手ぶれ補正が自動切り替えするマルチシーンISも、ロール・あおりを電子的に補正できるようになった。新しい「Rシリーズ」は、これまでの「Mシリーズ」に代わる主力モデルとして力の入った進化を遂げたと言っていいだろう。

フラッグシップの「HF G20」は、基本スペックはG10を踏襲したものの、「Mシリーズ」に搭載されていた低照度特性を向上させたセンサーを採用して撮影画質のさらなる向上を図り、細部で様々な使い勝手の向上を図っているのが特徴となる。

センサーは光の透過率を約20%向上させ、これが暗所特性のレベルアップにつながった。その結果、最低照度は1.2ルクスまで向上し、ダイナミックレンジでもメリットを生み出している。レンズフードには開閉式バリアを内蔵し、しかもフィルターを装着したままでも装着が可能。従来のキャップ式から大幅に使い勝手が向上した。

■4K対応ビデオカメラも参考出展

さて、今年のCESで話題を呼んだのが4K対応ビデオカメラの登場だ。すでにJVCケンウッドが業務用として販売しているが、今回のCESではソニーとパナソニックが参考出品を行った。展示では、ソニーはまだモックアップの状態だったが、パナソニックは撮影映像をスルーで出力するデモを行っていた。パナソニックによればすでに記録もできるとのことで、ソニーもパナソニックも年内の販売を目指すとしている。出力はJVCが4本のHDMIで行っていたのに対し、ソニーもパナソニックも1本で出力できるようになっていた。もちろん30pまでの出力にしか対応できないが、それでも家庭用を意識した場合、この対応は欠かせないと言えるだろう。

ソニーは4K対応モデルのモックアップを展示

パナソニックの4Kカメラは実際にでデモも行っていた


4Kテレビのコンテンツ不足解消に、4Kビデオカメラは一石を投じることができるのか
2013 International CESを見渡せば、すでにテレビの4K化はますます進んでいくことが実感できる。しかし、4Kを楽しむコンテンツの環境はあまりに寂しい状態。4K対応ビデオカメラの投入でこれを少しでも喚起しようというわけだが、振り返れば、これは3Dの時と状況が似ている。映像をひと目見ればドキッとするような再現力を実感できるだけに楽しみではあるのだが、家庭用TVの普及状況を鑑みたトータルでの戦略が必要だと感じた。

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